2015/12/15
南原(ナムウォン)の漆器
全羅北道の南原(ナムウォン)に1泊2日で行ってきました。ソウルから南原へは、バスで3時間ほど。まずは南原市漆塗工芸館を見学します。
南原は、智異山(チリサン)の良質で豊富な資源を調達できることもあり、早くから木工芸産業が発達し、漆器の生産地として有名です。南原の古寺である実相寺(シルサンサ)の僧侶がパル(鉢盂)という食器を作る技術を伝えたことから始まり、1,300年の歴史があるとか。
南原市漆工芸館は、地元の伝統を誇る木工芸や漆工芸の継承と発展のために、漆製品を展示しています。

木をスライスしたものから段々と漆塗りの器へと変わっていく工程が、展示されています。



館長さんです。こう見えて(失礼)素晴らしい技術を持つ凄い方のようです。もっとお話を聞きたかった。日本の漆塗り技術のことも褒めていらっしゃいました。

展示室では、見事な漆器や螺鈿(らでん)細工の工芸品を展示販売しています。

色鮮やかですね!




螺鈿の細かいキラキラの模様は、アワビの貝殻の内側を細かく切って貼ってあるのです。想像するだけでも、気の遠くなる作業ですよね。

大きなお皿の白い花模様は、細かくした卵の殻が使われています。完成まで6ヶ月ほどかかるのだそうです。

僧侶が食事に使う入れ子の器パル。少ない荷物で旅ができるよう考えられてこのような形になったらしく、パルのほとんどがここ南原で作られるそうです。ちなみに5個セットで44,000円。30個重なるものもあり、イタリアで賞賛されました。30個セットは66万円だそうです。


壁にはとても大きな作品が飾られています。

畳の部屋に置いても違和感が無さそうです。韓国と日本は通じるものがありますよね。

南原の漆塗り木器は天然の漆を使うので虫がつかない。防水や殺菌に優れ、地面に埋めても腐らない優れた保存性があるのだそうです。
調べたところによると、現在、南原の10カ所の工房で漆塗り木器が製作されており、大部分が100年以上代々家業として木工芸を営んでいるとか。製作される木器は祭器、鉢盂、スプーン、木製食器、菓器などなど。
このような素晴らしい技術をもっとたくさんの人に知ってもらい、継承していって欲しいと思いました。私も安い使い捨てではなく、良いものを長く使う人になろうと思います。
【남원시옻칠공예관(南原市漆工芸館)】
住所:전라복도 남원시 요천로 1234-5(조산동)
電話:063-631-5725
観覧料:無料
観覧時間:9:00~18:00
休館日:月曜日
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コメント
韓国の漆器。
2015/12/15 12:44 by カイカイ反応通信愛読者 URL 編集
Re: 韓国の漆器。
こちらこそ、コメントをありがとうございます。
同じアジアなので、何かと通じるものがあり、おもしろいですね。
2015/12/15 22:05 by miki URL 編集