2016/04/15
加山(カサン)デジタル団地の裏側「九老(クロ)工業団地労働者生活体験館」
地下鉄1・7号線加山(カサン)デジタル団地駅2番出口を出てまっすぐ進むと、「九老工業団地労働者生活体験館」の看板が見えます。「加山デジタル団地」駅は、旧「加里峰(カリボン)」駅から改名され、「九老工業団地」という名称は「九老デジタル産業団地」に変わりました。九老といえば今でこそ高層ビルが建ち並び、アウトレット、ITやベンチャー企業が集まるところというイメージですが、数年前までは工場地帯でした。繊維関係の工場が多かったため、今では駅周辺は高級衣料品のアウトレットタウンとなり、ファッションデザイン団地などと呼ばれたりするそう。


路地を進むと左側に「九老工業団地労働者生活体験館」があります。2013年に設立された「九老工業団地労働者生活体験館」では、60~70年代に九老工業団地の縫製工場で働いていた女性労働者たちの生活を体験することができます。入場無料。


スタッフの方が案内してくださいました。まず、2階の視聴覚室で九老工業団地の労働者に関する映像を見せてもらいました。日本語字幕付きの映像で、九老工業団地の歴史、労働者の生活の様子、労働運動の流れなどについて理解することができます。

1964年、九老工業団地は韓国最初の産業団地に指定され、当時、九老洞と加里峰洞(カリボンドン)一帯には大小の工場がひしめく工場地帯でした。田舎から職を求め、多くの人々が九老工業団地へやってきました。繊維、縫製、電子機器関連の工場では少女たちが女工として働いていました。彼女らは「ポルチッ(蜂の巣)」と呼ばれる狭い部屋に住み、安い賃金で長時間労働という劣悪な労働環境を強いられました。彼女たちは韓国の経済発展の主役であると同時に、労働運動の主役でもありました。劣悪な労働環境に対して対抗し、自分の権利を主張しました。

1階には、当時の写真や絵、新聞記録などが展示されています。

朴槿恵(パク・クネ)大統領の父親が大統領だった頃の写真。

青いパイプに耳を近づければ、少女たちのひそひそ話が聞こえるという装置ですが、音量が大きいためパイプはその役目を果たしていません。


韓国では、洗面台が無いところで歯磨きや洗顔しないといけない状況は未だに多い。足元に水が跳ね返るから、冬は特に辛い。

地下には、当時彼女たちが暮らした部屋を再現。

廊下には狭い間隔で部屋が並んでおり、それぞれの部屋に違う名前をつけて展示しています。

「蜂の巣」と呼ばれた狭い部屋で、何人かが一緒に寝起きした様子を想像することができます。

酷い写真ですみません。当時のインテリアなど再現されています。ちなみに、洋服を掛ける(日本語ではファンシーケースと呼ばれるらしい)衣装ケースは、韓国語ではビキニオッチャンと呼ぶそうです。覚えておこう!


部屋には実際に入ることができ、学生服や作業服を実際に着てみることができます。

外に出ると、隣に当時の商店を再現した建物。


経済成長とともに韓国人は工業団地を立ち去り、中国人と朝鮮族が移り住み加里峰洞(カリボンドン)はチャイナタウンに。→朝鮮族タウン「加里峰(カリボン)」で食べる本場のヤンコチ10本5,000ウォン!
【구로공단 노동자생활체험관(九老工業団地労働者生活体験館)】
住所:금천구 가산동 39-7
電話:02-830-8426
営業時間:10:00~17:00
ホームページ→http://laborhouse.geumcheon.go.kr/
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コメント
いいね~いいね~
めっちゃおもしろそうじゃないですか!!
今度ちょっと行ってみたいです!
九老って探索すると面白そうな場所ですね
これからちょっと気にしてみます!
2016/04/15 10:51 by ユナー URL 編集
Re: いいね~いいね~
私もまた行きたいと思っています。
九老って遠いイメージだったんですが、意外と行きやすいんですね。
2016/04/15 10:55 by miki URL 編集