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加山(カサン)デジタル団地の裏側「九老(クロ)工業団地労働者生活体験館」

地下鉄1・7号線加山(カサン)デジタル団地駅2番出口を出てまっすぐ進むと、「九老工業団地労働者生活体験館」の看板が見えます。

「加山デジタル団地」駅は、旧「加里峰(カリボン)」駅から改名され、「九老工業団地」という名称は「九老デジタル産業団地」に変わりました。九老といえば今でこそ高層ビルが建ち並び、アウトレット、ITやベンチャー企業が集まるところというイメージですが、数年前までは工場地帯でした。繊維関係の工場が多かったため、今では駅周辺は高級衣料品のアウトレットタウンとなり、ファッションデザイン団地などと呼ばれたりするそう。





路地を進むと左側に「九老工業団地労働者生活体験館」があります。2013年に設立された「九老工業団地労働者生活体験館」では、60~70年代に九老工業団地の縫製工場で働いていた女性労働者たちの生活を体験することができます。入場無料。





スタッフの方が案内してくださいました。まず、2階の視聴覚室で九老工業団地の労働者に関する映像を見せてもらいました。日本語字幕付きの映像で、九老工業団地の歴史、労働者の生活の様子、労働運動の流れなどについて理解することができます。



1964年、九老工業団地は韓国最初の産業団地に指定され、当時、九老洞と加里峰洞(カリボンドン)一帯には大小の工場がひしめく工場地帯でした。田舎から職を求め、多くの人々が九老工業団地へやってきました。繊維、縫製、電子機器関連の工場では少女たちが女工として働いていました。彼女らは「ポルチッ(蜂の巣)」と呼ばれる狭い部屋に住み、安い賃金で長時間労働という劣悪な労働環境を強いられました。彼女たちは韓国の経済発展の主役であると同時に、労働運動の主役でもありました。劣悪な労働環境に対して対抗し、自分の権利を主張しました。



1階には、当時の写真や絵、新聞記録などが展示されています。



朴槿恵(パク・クネ)大統領の父親が大統領だった頃の写真。



青いパイプに耳を近づければ、少女たちのひそひそ話が聞こえるという装置ですが、音量が大きいためパイプはその役目を果たしていません。





韓国では、洗面台が無いところで歯磨きや洗顔しないといけない状況は未だに多い。足元に水が跳ね返るから、冬は特に辛い。



地下には、当時彼女たちが暮らした部屋を再現。



廊下には狭い間隔で部屋が並んでおり、それぞれの部屋に違う名前をつけて展示しています。



「蜂の巣」と呼ばれた狭い部屋で、何人かが一緒に寝起きした様子を想像することができます。



酷い写真ですみません。当時のインテリアなど再現されています。ちなみに、洋服を掛ける(日本語ではファンシーケースと呼ばれるらしい)衣装ケースは、韓国語ではビキニオッチャンと呼ぶそうです。覚えておこう!





部屋には実際に入ることができ、学生服や作業服を実際に着てみることができます。



外に出ると、隣に当時の商店を再現した建物。





経済成長とともに韓国人は工業団地を立ち去り、中国人と朝鮮族が移り住み加里峰洞(カリボンドン)はチャイナタウンに。→朝鮮族タウン「加里峰(カリボン)」で食べる本場のヤンコチ10本5,000ウォン!

【구로공단 노동자생활체험관(九老工業団地労働者生活体験館)】
住所:금천구 가산동 39-7
電話:02-830-8426
営業時間:10:00~17:00
ホームページ→http://laborhouse.geumcheon.go.kr/

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コメント

いいね~いいね~

こんなところあったんだね~
めっちゃおもしろそうじゃないですか!!
今度ちょっと行ってみたいです!
九老って探索すると面白そうな場所ですね
これからちょっと気にしてみます!

Re: いいね~いいね~

すごくおもしろいというか興味深いです。
私もまた行きたいと思っています。
九老って遠いイメージだったんですが、意外と行きやすいんですね。
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プロフィール

miki

名前 : miki

好きなもの:旅行、古いもの、ハンドメイド、節約、変なもの、おいしいもの、市場

タイ・バンコクの安宿で出会った9歳年下貧乏韓国人ゴンさん(Park Kunwoo)とスピード結婚。結婚当時は夫婦共に無職、夫の全財産は約2万円でした。

2004年〜初めてのタイバックパック旅行でタイにはまり、東南アジアを中心に一人旅をするように。

2009年12月〜バンコクの安宿で、日本語ペラペラ9才年下の韓国人ゴンさんに出会い一目惚れ。プロポーズされ、約2週間交際。

2010年3月〜3ヶ月ぶりにゴンさんに会うため韓国へ。韓国で約3週間交際。35歳の誕生日に籍を入れることを目標に、2人で日本へ。

2010年4月〜日本に帰国した翌日、家族全員に紹介しないまま入籍。愛知県一宮で新婚生活がスタート。

2010年9月〜台湾、スリランカ、オーストラリア、インドネシア、マレーシア、タイ、ラオス、中国などの国々を夫婦で放浪。その後しばらく別居。

2011年12月〜ゴンさんはインドでガイドとして働くことになりインドへ。私も後からインドへ。

2012年3月〜ゴンさんが痔になり、急遽タイの病院へ。しばらくタイで静養生活。

2012年4月〜ゴンさんは韓国、私は日本へそれぞれ帰国し、しばらく別居生活。

2012年6月〜ゴンさんがソウルで勝手に物件契約。仕方なくアジアン雑貨店「南山アソーク」をオープン。

2012年12月〜南山アソーク閉店。夫婦でインド旅行。

2013年3月〜ゴンさんはニュージーランドへ。約半年間の別居生活。

2013年9月〜ついに韓国で部屋を借り定住。家賃は月23万ウォン。

2014年3月〜私達夫婦の出会いから結婚、放浪、貧乏生活などのエピソードが書籍に。韓国ソダム出版よりPark Kunwoo著「글로벌거지부부(グローバル乞食夫婦)」出版。

2014年6月〜ソウルに残るタルトンネ(貧民街)に引っ越し。家賃不要のチョンセ物件でのんびりとした生活が始まる。

2014年12月〜ソウルの寒さから逃れるため、約3ヶ月間、夫婦で台湾徒歩一周。

2015年3月〜Park Kunwoo著「글로벌거지부부」翻訳版が台湾で出版される。

2015年5月〜ゴンさんが韓国の大手旅行会社で添乗員として働きはじめ、貧乏脱出。

2016年5月〜ゴンさんは自由に生きることを選択、大手旅行会社を辞める。

2016年9月〜ゴンさんは添乗員、私はツアー客としてスペインサンティアゴ巡礼ツアーに参加。フランスのサン・ジャン・ピエド・ポーからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまでの約800kmの巡礼路を踏破。

2019年4月〜韓国ソダム出版からゴンさん(박건우)の新刊「느리게 천천히 가도 괜찮아」出版。タイトルの日本語訳は「のんびりゆっくり行っても大丈夫」です。私たち日韓貧乏夫婦の台湾一周徒歩旅行記(韓国語版)です。

2019年11月〜YouTube配信中!




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